【解説】ファシリテーションが解決する問題

ファシリテーションはどのようなことをするのでしょうか?どんな問題を解決するのでしょうか?端的に言うと複雑な問題を解決に向かわせます。どうにもならない状態を何とかすることが可能になります。そういった意味では本来のマネジメントであったり、リーダーシップであったりの要素も多分に含まれているのです。

問題には大きく3つの種類があります。まずは単純な問題。答えが明確で、やればすぐ終わるものです。「喉が渇いたらどうすか?」ぐらいな単純な問題です。もちろん答えは「水を飲む」ですね。次に煩雑な問題。これは答えは明確でやれば終わるのですが、とにかく面倒くさい、段取りや整理が必要な問題です。「喉が渇いた人が100人いて、100m離れたところに、100本ペットボトルがあるので提供してください」というような、ちょっと対応に工夫がいる問題です。そして最後に出てくるのが複雑な問題。これはどうにもならない、解決策がわからないという状態を指す問題です。「喉が渇いた人が100人いて、2人ほど脱水症状から意識不明になっており、かつ暴動が起きかけている」という状態を何とかするようなイメージです。もはや水を持ってきたら解決できると言う状態ではありません。こんな複雑な問題を取り扱うのがファシリテーションです。

ではどうやって扱うかというと、複雑な問題が起きている状態に介入する、つまり現場に飛び込みます。そして本当にやるべきことが何か、何が必要なのかを突き詰めます。前述の水の例であれば、もはや「生命の危機が起きている」ことが最大の課題であり、「安全を確保する」ことが第一目的になっています。この課題と目的を共有し、改めて協力関係を創り直していきます。例えば、暴動が起こせるぐらい元気な人は意識不明の方を担いで安全確保することを役割として再設定し、全員で安全確保に努められるようにしていきます。そして安全が確保されたら、次に必要なアクションを設定して、よりよい状態になるように互いの信頼関係を築き、主体性を引き出して、前向きに積極的に動けるようにしていきます。しかもそれが継続できるようにします。

つまり、どうにもならない状態を突破して、成果が生まれるような“流れ”を創り直すのがファシリテーションということになります。会議レベルであれば停滞した状態から結論を導き出せるように場の雰囲気を変えていくし、事業であれば利害関係者の間に入って協調関係を創り成果を生み出せるようにしていくわけです。このためマネジメントを担当したり、リーダーシップの発揮が求められたりする立場の方には必須の要素がすべて詰まっているといっても過言ではありません。

というわけでファシリテーションは、経営者や現場のトップであったり、今後そう言った立場になっていくような方たちにぜひとも持っておいていただきたい能力だったりします。

 

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